自給自足 2.0
収入と暮らしを、自分の手で育てる
早朝5時30分。
窓の外はまだ薄暗い。ひと足先に目覚めた鳥たちの声だけが聞こえる。家族はまだ眠っている。南アルプスの麓にある自宅で、静けさの中、この文章を書いている。
ひとりで小さな会社を経営している。自分で選んだ場所に住み、自分で選んだ仕事をしている。穏やかな暮らしだ。
ただし、ここに至るまでの道のりは、まっすぐではなかった。
学生時代はまともに学校に通えず、大学も中退した。バイトを転々として、職場に馴染めないことのほうが多かった。履歴書に誇れるものは何もなかった。
ただ、「自分はどう生きたいのか」という問いだけは、ずっと抱えていた。馴染めなかったのは、たぶんそのせいだ。答えの出し方がわからないまま、はみ出し続けていた。
長い回り道の果てに、やっと答えらしいものの輪郭が見えてきた。
収入と暮らしを、自分で作る。ぼくはこの生き方を「自給自足 2.0」と名付けた。
かつて人々は、食べ物を自分で育てて暮らしを立てた。現代の私たちが自分で育てるのは、収入と暮らしの仕組みだ。道具は変わっても、自分の手で暮らしを作るという本質は変わらない。
今、この考え方を一冊の本にまとめている。その思考の過程を、このSubstackで手紙のように届けていく。完成された方法論ではなく、現在進行形の実験記録として。うまくいったことも、いかなかったことも、正直に書く。
もしあなたが今の暮らしに小さな違和感を感じているなら、この手紙が何かの種になるかもしれない。
南アルプスの麓より。
服部雄樹



